「食後の歯磨きはすぐしなければいけないのですか?」
結論から申しますと、
「一息ついて(30分ほど)から磨いていただくといいです」
食後の歯磨きに関しては専門家の中でも議論が多いところになります。
ポイントとしては、
①汚れ(プラーク)がついている状態は虫歯や歯周病を進行させる
②食後はお口の中が酸性になっているので歯が弱くなっている
この2つがポイントとなっています。
しかし、この2つは実は矛盾する内容なのです!
では1つ1つ説明していきます。
①プラークが悪い?
プラークとは虫歯や歯周病の原因となる細菌の塊です。
このプラークが付着していると病気が進行してしまいます。
プラークは時間が経過すると硬くなり歯の表面に頑固にこびり付きます。
まるでフライパンの油汚れのようです。
頑固な油汚れなかなか取れないですよね?
歯のプラークも同じです!
時間がたったプラークは取れにくいのです。
取れにくくなったプラークの細菌によりゆっくりと虫歯と歯周病は進行します
すなわち、プラークは早く取り除いてあげた方がいいのです!?
このことからいくと、
「歯磨きは食後すぐに磨きましょう!」
ということになります。
しかし、そうとは限らないのです。。。
②お口の中が酸性になっていて、歯が溶けやすい?!
普段お口の中は中性になっています。(だいたいpH7ぐらいです)
中性の状態では虫歯になりません。
しかし、食事をすると酸性に傾きます。
酸性になると歯が溶ける状態になります。
この歯が溶け始めるのがpH5.5の酸性の状態です。このpH5.5周辺を臨界pHといいます。
これを下回る酸性になると虫歯のリスクが高くなります。
歯が溶けはじめている状態なので、硬い歯が柔らかくなります。
柔らかくなった状態の歯を磨くと柔らかいため、歯が削れてしまうと言われています。
すなわち、酸性の状態の食後直後に歯を磨くと歯を弱くしてしまう!?
このことから、
「歯磨きは食後からしばらくしてから磨きましょう」
ということになります。
この2つは矛盾してますよね?
・どちらが正しいのか?
どちらも正しいとしか言えません。
どちらも研究の結果から出た結論です。
しかし、どちらも付け足しをすることで対応することができます。
①プラークについて
プラークが虫歯や歯周病の原因となるといっても食後すぐに病気が進行するわけではありません。
虫歯ができるのはおおよそ3ヶ月ほどかかると言われています。
もちろん歯磨きの積み重ねで虫歯になるのですが。。。
②酸性について
唾液の中和作用によって15〜30分ほどで中性戻ります。
食後しばらく時間を空ければ問題ないと言えます。
まとめ
・プラークは病気の原因になる
・食事をするとお口の中は酸性になり歯が溶ける
・30分ほどで中性に戻る
食後すぐに磨くのではなく、お茶を飲んだり、洗い物をしたりして一息ついてから磨くと良いでしょう!