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子供の虫歯治療は銀歯にしてはいけない?

愛知県稲沢市 稲沢のぐち歯科 歯科医師・院長 野口敏英

Q:子供の虫歯治療は銀歯にしてはいけない?

結論からいうと、
子供の歯(乳歯)には銀歯はおすすめはしません

子供の歯を銀歯にすると、奥から生えてくる大人の歯(永久歯)に悪影響が出ることがあります

まず銀歯の特性についてですが、
①硬いので丈夫、壊れにくい
②接着剤の劣化により外れることがある:虫歯になっていなければ付け直しが可能
③治療回数や日数がかかる:型取りを行い作成します
④見た目が歯の色と違うので目立つ
⑤月日が経つと変形を起こし、隙間ができて虫歯になりやすい
⑥保険治療の適応である
⑦広範囲の虫歯の場合には有効な治療方法である

特に注意が必要なのが「①」と「⑤」です!

まず「⑤月日が経つと変形を起こし、隙間ができて虫歯になりやすい」ですが、
大人の方もそうですが、銀歯は月日が経つと虫歯になりやすい材料です
金属は膨張や収縮する特性があります。
食事をするたびに温度変化を受け、少しずつ変形を起こします。
月日が経つと変形が隙間となり、虫歯菌の進行を許してしまうのです。

特に子供の歯は柔らかいので虫歯になりやすい特徴があります。


次に「①硬いので丈夫、壊れにくい」です ※ここが子供の虫歯治療で注意が必要なところです!

子供の歯から大人の歯への生え変わりについて説明します

大人の歯は、子供の歯の根っこ奥深くで成長します
大人の歯ができるにつれて、子供の歯に向かって成長します
成長し続けると、子供の歯の根っこから徐々に吸収します
最後は子供の歯をグラグラにて抜けてしまいます

ここに子供の歯に銀歯が装着されていると様々な問題が起こることがあります。
子供の歯に銀歯が装着されている状態は例えると、
柔らかい歯の上に、硬い金属の蓋がされている状態です
蓋に上から押さえつけられています

1 大人の歯(永久歯)に生えかわるのが遅くなる可能性があります
銀歯があることによって、子供の歯を押すことができず出てくるのが遅くなる可能性があります
最悪の場合、大人の歯が出ることができず、そのまま骨の中で成長が完了してしまう場合があります
遅くなることにより、正しい位置に生えることができず噛み合わせが悪くなります

2 大人の歯(永久歯)が横から生えてくる
銀歯があることによって、子供の歯を押すことができず、子供の歯を避けて横から生えてくることがあります


このように大人の歯への生え変わりに悪影響が出ることがあります。

まとめ
銀歯は虫歯の治療方法としては有効であるとは思います。
しかし、子供の虫歯治療の場合にはできるだけ避けた方が良いでしょう!
銀歯で治療を行った場合は、生え変わりまでこまめにチェックを行い、大人の歯に影響が出ていないか確認しましょう!

一生のうちで長く付き合うのは大人の歯です。
大人の歯に悪影響が出る治療方法は子供のうちはしない方がいいです。

良い治療方法としては、レジン充填(白い樹脂)で行うことです。

金属ではないため子供の歯に影響を与えにくいです。
しかし、強度が弱いため欠けたり、取れたりすることがあります。
再治療が簡単なため、生え変わりまで子供の歯を持たせることが重要です。



愛知県稲沢市 稲沢のぐち歯科 歯科医師・院長 野口敏英