愛知県稲沢市 稲沢のぐち歯科
歯科医師・院長 野口敏英
唾液により虫歯は治るのでしょうか?
結論として、虫歯は治すことが可能です!
しかし、初期虫歯に限ります。ある程度進行し、しみる・穴が空いているなど自覚症状がある場合は切削治療が必要です。
まず、虫歯についてお話したいと思います
虫歯は虫歯菌が糖(砂糖や炭水化物)を分解し、酸性物質を放出します。
酸性物質は物質を溶かすイメージがあると思いますが、まさにその通りで、歯を溶かします。
歯が溶けて穴になることにより虫歯になります。
歯の溶け始めが初期虫歯です。この段階のみが唾液が治せる範囲です!
唾液が初期虫歯を治すことを「再石灰化」といいます。
「再石灰化」とは唾液から歯の主成分であるカルシウムやリンが歯に供給されます。
この成分が歯に吸収され、元通りになります。
・唾液が初期虫歯を治すようにするにはどうしたら良いか?
虫歯になるのは虫歯菌が酸性物質を放出するからだとお話ししました。
お口の中の環境が酸性になっている状態です。
この酸性の状況を歯が溶けない「中性」に戻すのが唾液の役割の一つです。
「中性」に戻すには約1〜2時間ほどかかります。
この1〜2時間という時間をしっかり取ることが重要です。
「中性」に戻る最中に何かを食べるとまた酸性になってしまいます。
そうすると「再石灰化」は起こらず、歯が溶けていく一方です。
だらだら食べを行わずに、「中性」に戻る時間をしっかり確保してあげることが重要です!
・虫歯予防に唾液の量は関係するのか?
もちろん量も関係があります!
量が多いほど、「中性」にするのが効率的です。時間も短くなると考えられます。
量が多い方が有利です!
量が必ず少なくなる時間が1日の中にあります。
それは、就寝中です。
寝ている時は唾液の量はかなり少なくなります。
もし、寝る時に酸性になっていると、「中性」に戻るにはより多くの時間が必要になります。
寝る前に「中性」に戻しておくことが必要です。
寝る2時間以内に何か食事をするのは避けた方がいいと思います。
・虫歯予防のために唾液を多く出すのはどうしたらいいのか?
食事中であれば、よく噛むことが有効です!
噛む回数を増やすことにより、刺激され、唾液が分泌されます。
年齢により、唾液は少なくなっていきます。
唾液腺マッサージを行うことにより、唾液の分泌を促すことができます
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まとめ
虫歯予防には唾液が有効であるのはわかっていただけたかと思います。
しかし、効果を最大限活かすには、唾液が活躍しやすい環境を作ってあげる、唾液を助けてあげる必要があります。
虫歯に負けないお口にしていきましょう!